２３話（トントン視点） ページ26
＜トントン視点＞
？？ 「あの…ごめんなさい…頭いっぱいなってて…我を忘れてました…」
ん？
ちょっと言っとる事が
ひっかかるな
なににそんな頭いっぱいに
なっとったんや？
トン ｢……大丈夫やで、俺も急に怒鳴って悪かったな｣
？？ ｢だ、大丈夫です！｣
一瞬聞こうか迷ったけど
女の子の手を掴み
立たせるときに
手首に包帯が見えた
その瞬間俺は聞くことを
ためらった
トン ｢俺の名前はトントン、我々高校に通っとる生徒や、ビックリさせて悪かったな｣
A ｢！…同じ高校です！私、神宮寺Aって言います！｣
トン ｢同じ高校なんか｣
A ｢はい！1年生です｣
Aさんをじっと見る
顔には痛々しいガーゼ
足には無数の切り傷
(※山を登ってる途中に切った傷だが気づいてない)
左手首に頑丈に巻かれた包帯
なんかこの子には訳があったんやろう
それでここから
飛び降りようとしたんやろう
そう思った
"A 「頭いっぱいなってて…我を忘れてました…」"
あの発言…
親から虐i待されて
それでストレスで頭いっぱいに
なったんやろうか？
てことは、手首はリスカか？
そんな事を考えたら
凄くAさんが可哀想に感じた
トン (せめて今だけでも安心させたろ)
そう思い
ぎゅっと抱き締めた
こんな事で安心するか分らんけど
A ｢あの…トントンさん？｣
トン ｢あ！ごめん悪かったな！｣
俺はAさんに声をかけられ
慌てて離れた
確かに今考えたら
初対面の人に抱きしめられたら
普通に警察案件やんか
てか女の子抱き締めるとか
初めてで今顔真っ赤やわ
俺は、今初めて暗闇に感謝した
トン ｢はよ帰るか、ビックリさせて悪かったな｣
A ｢ほんと大丈夫ですよ！私の方こそごめんなさい！｣
その言葉を最後に
俺は沈黙のままAさんと
一緒に山を降りた
山を降りる時に見た
あのAさんの落ち込んだ顔が
どうも忘れられんかった
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作者名：ミルク | 作成日時：2024年2月29日 21時
