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貴方side
王は顔を上げると、途端に媚を売り出した。しかし暫くして私の存在に気付いた様だ。
今すぐにでも怒鳴り出したいだろうが、彼が居る為にそうもいかないらしい。
「総統閣下、私の娘が迷惑をかけた様で申し訳ございません。そちらは愚かで馬鹿な奴ですが、義妹のアネリアの方は可愛らしく賢い娘です。今から呼んできますので、良かったらお話相手にでも…。」
媚を売っているのが丸分かりだ。あわよくば、アネリアと結婚させて権力を強めたい…なんて魂胆だろう。
彼の方はと言うと、張り付けた様な笑みを崩さないままで口を開く。
Gr「いや結構だ。それより報告があってな、貴殿の娘である第一王女と結婚する事にした。」
同意を求めてくる彼に対して頷く。一方の王は、驚き過ぎて声が出ないらしい。
それでも何とか体裁を取り繕おうとしているその姿は、とても滑稽だった。
「…総統閣下は冗談がお上手ですね。そんな価値の無い奴を貰う方なんて居りませんよ。アネリアならともかく。」
その言葉を聞いた彼の瞳は、冷たく王を睨んでいる。どうやら怒っている様だ。
Gr「ほう…？俺が冗談を言っていると、そう言いたいのか。しかも俺の妻を侮辱するとは…余程死にたいらしいな。」
彼の目は本気で人を殺しそうだ。流石にここで騒ぎになるのはまずいと、彼を嗜めようとした。
その時、彼は私を横抱きにした。唐突な彼のその行動には驚きを隠せない。
Gr「とにかく、第一王女は今日で終わりだ。今日からはw国の総統夫人になるのだから！…話は終わりだ、Aは貰って行く。」
それだけ言い切ると、彼は王に背中を向けた。そして私を横抱きにしたままで正門から出て行った。
正門を抜けた所で降ろして貰う。すると後ろから誰かが走って来るのが見えた。
？？「グルさん、何考えとるんや！？いきなり結婚だなんて…しかもピオーニア王国の第一王女と！」
総統閣下が説教されている…。この方は誰なのだろうか。
Gr「落ち着けトン氏。…紹介しよう、A。こいつはトントン、w国の書記長で俺の右腕だ。」
挨拶をしてトントンさんの方を見ると、彼はため息を吐いた。
Tn「しかも、まだ子供やん…。第一王女様、年齢を聞かせて頂いても良いでしょうか。」
笑みを張り付けて11歳だと答えると、彼は更にため息を深くした。
Tn「完全に子供やん…！グルさんとだって4歳も離れとるんやで。」
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