【d!】一方的なやりなおし3

102話※ ページ2

訓練所

？「なんだよ、コネシマ隊長急に呼び出しやがって…」

俺ら兵士は、体術なんて
予定に入っていないのに、今日突然
招集を食らった

あいつのことだ。新しい訓練方法でも
身につけたんだろ

無意識に溢れてしまうため息で
本人を待っていると


豪快に開いた扉の中にいたのは
彼と


？「おおｯ！Aチャンじゃん!」
？「え、なになに？結婚か？…」
？「女だ…ついてないんだろうな…」

隣のA幹部。何してるかは知らん
親父のコネで幹部に成り上がったらしい


死んだ目で歪な体つきやけど
ほぼ男しかいない蒸し暑い舎の中では
砂漠のオアシスのような価値がある


kn「…」

嫌でも聞こえてくる嫌な雑音
Aは、これに1ヶ月…いや今も
耐えてきた。流石に罪悪感が刺激される


kn「訓練兵からの告げ口で聞いた」
kn「女やからと、Aになぁなぁな態度取っとるらしいやん」

その言葉で、辺りが静寂にかえる
隠してきた事実を指摘されて、肝が
絶対零度まで冷えたのだろう

ま、体も冷えさせるけど

kn「Aは優しいからな、《強い兵が働くなら大目に見てあげる》というスタンスやった」
kn「やけど、俺的にはお前らは雑魚」




kn「お前らに、Aをいじれる力を持っとるとは到底思えへん」



説教じみた言葉に、目の前の男たちは
鼻をほじる顔をしていた。
はいはい、そーですか。と空耳が聞こえる

ま、次にはそれも無くなるやろうけど

kn「お前らに1個賭けをしたる」
kn「今からココでいちばん強い兵士とAにタイマンさせる」

kn「買ったら、俺とAを好きにしてええ」


？「え？！うそだろ！」
？「や、やれるんか！」
？「やべぇ、興奮してきた」

kn「…」

いきなり沸き立つこいつらの汚い興奮
反比例していく俺らの心情

Aは、死んだ眼差しで見下ろし
ため息ばかり

あいつら、この女(俺らの女)に勝てると思ってんのか

kn「代わりに」
kn「Aが勝ったら、おまえら全員」

kn「Aの命令に黙って従え」

kn「従わないやつは俺が指導する」


聞いてないのか、兵士の間では
誰がAを押し倒すか、まで議論が
上がってきた

Aは船酔いの顔で、睨み
手の先が少し震え出す

訓練兵のころを、思い出している頃やろ

kn「…お前なら、勝てるから安心しろ」
kn「敵は1人。得意分野やんけ」

「…殺すのは」

ダメですよね、と言いかけた時
妙に明るい顔の彼が

kn「ひとりくらいなら、ええよ」

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