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128話《透明の過去》 ページ28

???

Aという存在が生まれたのは
父親が現役の幹部だった頃だった

恋愛禁止という決まりを破った証として
父親と母親は
他の幹部、軍人から忌み嫌われ

その圧力は赤子のAを蝕んだ



父親は優秀な幹部であったために、
その立場が揺らぐことはなかった
が、転じて言えば子供のために時間を
割くこともできなかった


父親も母親も孫がいてもおかしくない
歳だったので基本的な世話は家の使用人に
任せられた。
使用人は、他の幹部に浴びせられた罵倒や
やらしい中傷を飲み込んで

Aを、父親の二番煎じにさせないために
厳しくしつけた。しつけてしまった


父親のように、欲を出しては行けない
父親のように、ルールを破ってはいけない
父親にならないように、人と交流を
しすぎてはいけない

でも、

父親のように立派な幹部と同等な
役人にならないといけない

その極端な教育を受けたAは、
幼い時から本音を隠す利口な子になった

交流を避けるため、余儀なく
少女の頃すら家の中で過ごしたA


既に寝たきりになった母親は、
そんなAを抱きしめることも出来ず
他意のないお喋りすらしたがらない
Aをみて、涙を流すだけだった


《何もかも隠してばかりね》


その言葉は、どれだけの意味を
込めたのだろうか。


母親が死んだ時、父親は泣いたが
Aは泣かなかった。

それは、父親が死んだ時も同様

突然の病によって寝たきりになり
弱くなった父親を見ても、

雨の中父親を包んだ棺が土に
埋められていくのをみても、

綺麗だが闇のあるあの眼差しで
無愛想に見つめるだけだった


父親を反面教師としながら、父親の背を
追わなければならないA

生前の父親の口癖

総統にでもなれたらいいのに、
あの時、軍人として死ねたらよかったのに、

覚えていたAはそれを
遂行することにした。


しかし、自分は総統の器ではないことを
知ってしまった。


残ったのは、軍人として殉職することだけ

でも、

ほんとうは



ほんとうは、



死にたくなかった。



───

Aの父上

優秀な元幹部

引退に近い歳で、Aを作った

病死?とされているが、
その日の水は少し違ってたらしいとか






───

《隠してばかりね》
2章・57話にて

129話《勾留》→←127話



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あちき(プロフ) - 黒根希空さん» ありがとうございます! (4月28日 22時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
黒根希空(プロフ) - 完結おめでとうございます!!楽しく読ませていただきました! (4月28日 20時) (レス) @page50 id: e7069f831d (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 久しぶりに読み返しましたが、一回目の人生でtnとzmがやられた時に夢主は2人の近くにいたからスパイだと疑われたんでしょうねー… (4月28日 12時) (レス) @page9 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - ちがかった ショッピくんやったわ (4月10日 22時) (レス) @page38 id: 4488d94be9 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - スパイさ、、だいせんせーとえみさんちゃう? (4月10日 21時) (レス) @page11 id: 4488d94be9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619  
作成日時:2024年3月22日 15時

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