検索窓
今日:230 hit、昨日:269 hit、合計:60,429 hit

133話 ページ33

牢屋

?「え、わかりました…」
?「…うす」

「…」

奥から兵士が去る音と誰かが
近づいてくる音が聞こえる。ついに
尋問か?または、誰か捕まっちゃったのか

殴られけられ、侮辱され
立てる力も無くなってしまった体は
その人物を見ることも叶わなかった

金属の叫ぶ音と共に
足音がすぐ近くまでやってくる

私の前でしゃがみこんだ紫色のパーカー
懐かしいショートピースの匂い

見なくてもわかる、あいつだ

「…おまえが、私に尋問するのか」

syp「…」

Aさんは、おまえなんて俺に言わない
敬語で、さん付けやった

敬意をもつ相手じゃないと格下認定された
らしい。ここまで冷たいAさんを
はじめてやな

syp「体調はどうですか」
「…」

Aさんだったら逃げる。
やから今の状態は相当まずい

おそらくあいつらは骨をまずおる
数年前の俺がそう教育したせいだ

syp「…Aさん、…」
「私の名前を呼ぶな、c国のスパイが」
「おまえのせいで、おまえのせいで」
「私が、あの時に、ごほっ、ごほっ」

syp「…」

喉になにか入ったらしい
しんどく咳き込む姿に心臓が痛くなった


syp「…話を、聞いてください」
「聞かん、尋問やないなら帰れ」
「…信じてたのに」

syp「ッ!……」
syp「…お、おれ…c国の人間やけど」
syp「あの時の言葉は本当なんです」
syp「貴方が好きなんです」

あれ、なんで泣いてんだろ

syp「ほんま、なんや。ほんまに好きで」
syp「貴方は、俺を、他の人と同じように接してくれたから」
syp「同じ態度、同じ距離感」
syp「あれに救われたのに、俺は、!」

我々国の人達はみんな優しかった。
C国と違った俺をへんに高めることも
また駒のように扱うこともしなかった

Aさんも、みんな暖かかってん
やから俺、大先生が羨ましかった。
チーノも羨ましかった

ええな、って、ずっと



syp「…謝って許されるとは思ってません」
syp「もし貴方以外が収監されてたらこんな反応はせん」

syp「…これを、持ってきました」

Aさんの目の前に
こっそり奪い返してきた服、インカム、銃、携帯
全てを彼女に渡す

初めて戸惑った反応をみせる彼女から
鎖を取り外し俺のパーカーを被せて
顔や体を隠す

「ッ殺すなら、殺せ」
「私はもうこれ以上生きる気は」

syp「…何言ってんですか」
syp「…あんたは帰る場所があるやろ」

134話→←132話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (131 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
488人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あちき(プロフ) - 黒根希空さん» ありがとうございます! (4月28日 22時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
黒根希空(プロフ) - 完結おめでとうございます!!楽しく読ませていただきました! (4月28日 20時) (レス) @page50 id: e7069f831d (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 久しぶりに読み返しましたが、一回目の人生でtnとzmがやられた時に夢主は2人の近くにいたからスパイだと疑われたんでしょうねー… (4月28日 12時) (レス) @page9 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - ちがかった ショッピくんやったわ (4月10日 22時) (レス) @page38 id: 4488d94be9 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - スパイさ、、だいせんせーとえみさんちゃう? (4月10日 21時) (レス) @page11 id: 4488d94be9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619  
作成日時:2024年3月22日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。