この終わり ページ49
優しく暖かい日差しが包み込む時間だった。
平和と称するに相応しい程穏やかで、その空間にそのまま溶けてしまいたくなる時間だった。
とてもとても、美しかった。
ただそれだけが事実だった。
ただそれだけが幻想だった。
｢知ってたかグルッペン。今日は私とお前が初めて会った日なんだ。｣
gr｢それは...知らんかったわ。｣
｢初めて会って、そして始まった日。｣
外からは国民の喜色に染まる歓声が聞こえてくる。
それを聞いて自分は心底安心し、やっと戻せるのだと密かに喜んだ。
｢何回も私は正そうとしたよ。一度も立ち止まらなかった。｣
gr｢...｣
｢なぁ、グルッペン。お前、いやトントンか？オスマンか？誰だか分からないけど、一体なにをした？｣
gr｢お前、さっきから何のことを言ってるんや？｣
まるで目の前に居るのは違う誰かのようだ。
自分の目が正しいならばいま目の前にいるのは自分の知っているAではなく、違う誰か。
その異色な雰囲気に肌が粟立つのを感じながら目を逸らすことなくじっと見つめ続けた。
｢まぁ、いいさ。気づけず今に至ったのは私の落ち度だからね。もういいよ。また頑張る。｣
gr｢気づけずってなんのことや。｣
｢居なかったはずの鼠に噛まれるとは思いもしなかったけど、次こそは邪魔されない。｣
gr｢お前、ほんまにさっきから何を言って...｣
｢ちゃんと、次こそは正さなきゃ。だから、だからよグルッペン。｣
嫌な汗が一気に噴き出す。
心臓が痛いほどに速く動いて喧しく存在を主張し、頭が上手く回らなかった。
これ以上は聞いてはダメだと思った。
これ以上は喋らせてはいけないと思った。
きっと、いま手中にある幸せが崩れてしまうのが分かっていたから。
だから、Aを逃がさない為に手を伸ばせばその手は空を切った。
｢愛されるのは苦しいよ。そして愛するのもね。｣
gr｢Aッ、やめろ！｣
｢でも今回のは近くも遠かったかな。良い経験にはなったけど。｣
gr｢A！！これは命令や、戻れ！！｣
｢次はお前らがループに入ってこないことを願うよ。せっかく成功したのに迎えた先がこれとはたまったもんじゃないんでね。｣
gr｢A！！｣
Aへ伸ばしたはずの手はいつの間にか握慣れた銃を持っていて、それはしっかりとAへ向けられていて。
そしてそのまま引き金に指をかければ、
｢神は良しとされました。｣
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あまね(プロフ) - やみかんじるすき (9月2日 20時) (
レス) @page39 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
バツマルくん大好き(プロフ) - こんな展開になるんですね！初コメ失礼します！ (8月14日 3時) (レス) @page27 id: 7609bdf14d (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - d!様ヤンデレ尊い(遺言) (8月13日 12時) (レス) @page24 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - とっても面白いと思います！あともう気付いているかもしれませんが、顔面が画面になっています。ページ二十ーの終わり十五行ら辺です。とても面白いです！これから応援します！次の最新楽しみに待っています！ (8月11日 19時) (レス) @page21 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
役 - 一気読みしました！続きが気になるところ！！！主の性格もＤ！様のヤンヘラ表現も最高です！！！！！ (8月10日 22時) (レス) @page16 id: d3098ec589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見酒 | 作成日時：2023年8月8日 7時
