堅実なるは大和営帝国 ページ20
ｺﾝｺﾝｯ、っと一応ノックしてからドアを開ける。
中に居たのは、黒髪に純白の瞳を持つ少年だった。
彼は…大和営帝国の者だ。
直感的にそう思った。堅実で、どこか硬っ苦しい感じ、この雰囲気は大和営帝国の者しか出せない。
それに赤くバツの入ったマスクを付けるのは彼しか居ない。
ht「どうも、
『えぇ、私がA・クロイツァーですわ。2日間、よろしくお願いしますわね。伏見宮様』
伏見宮 弌爛こと、ひとらんらん。
大和営帝国 海軍中将の息子だ。まだ軍人としては幼いのにかの国では"少尉"という階級を賜っている、言わば武術の天才。
ht「伏見宮様…なんて硬っ苦しいからひとらんって呼んでよ。敬語も敬称も別に要らない。ここじゃ身分なんて関係ないでしょ？」
『そう、ですわね……これからよろしく、ひとらん』
このふわふわとした空気に触れるとどうしても毒気を抜かれる。
だが、彼は復讐鬼の2つ名を持つほどに恨みを買ってはならない人物だ。気をつけなければ…。
ht「そういえば食堂で食事を摂ったらすぐ寝るように、って指示が来てるみたいだけど…食堂、一緒に行かない？」
『いいわよ、明日は実技だし食事は大事だもの』
私達はそのまま部屋を出て色々と話しながら食堂に向かった。
彼の国の文化だとか、何故この学校に来たかだとか、ね。
すると、突然並んで歩いていた彼が立ち止まり、
ht「A嬢は、戦場を見たことある？」
ボソリと言葉を吐いた。
ゆっくりと彼の方に振り向き、彼と目を合わせる。
だが彼の伏せられた瞳は黒く澱んでいて、まるで地獄を知っているような目だった。
『……いいえ、ないわ』
ht「……戦場ってね、本当に酷い場所なんだ。この世の
『……………』
私は体ごと彼の方に向け、彼の話に耳を傾ける。
ht「……俺は平和が好き…でも生まれた家で全てが決まるあの国じゃ…家名以外は戦う上で優秀か優秀じゃないかが大事なんだ。
確かに国内で戦争は無いし平和だよ？でもその平和の裏には必ず…地獄がある……本当にこれが…平和、なのかな…」
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ゆう(プロフ) - 主人公のひとつひとつの言葉遣いに品性を感じ、別世界に行けるような感覚で楽しませてもらっています。お忙しい中更新いただきありがとうございます！無理のない範囲で、作者様のペースですすめていってください！ (9月10日 2時) (
レス) @page29 id: a3f3849aaa (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 夢主が可愛すぎて辛いです()本当に読めやすくて話も面白いです！ (9月5日 9時) (レス) @page28 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
絲縫。(プロフ) - 滅茶苦茶好きです。すごく綺麗に話が綴られているので凄く読みやすくてあっという間に読めました。これからも応援しています。 (9月4日 21時) (レス) @page28 id: 3aa2c2a23c (このIDを非表示/違反報告)
シオンはアムルガムの派生(？) - drさんがここぞみたいな所で自分の嫁！って主張してるのがかわいくて好きです！！！応援してます！！初コメ失礼しましたー！！！ (9月4日 18時) (レス) @page28 id: da22832432 (このIDを非表示/違反報告)
アホの子(プロフ) - りぃるさん» ああありがとうございます…！！！嬉しいお言葉すぎるｯｯｯ…！！！！(涙) (9月4日 16時) (レス) id: 149963b40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アホの子 | 作成日時：2023年8月22日 1時
