彼は私を友人と言った ページ23
・
グルッペンが張り付いたままの挨拶で申し訳ないが、今ここで彼を引き剥がせば確実に機嫌を損ねてしまう。今機嫌が悪くなるのはどうにも面倒臭い。
em「はい、こちらこそ宜しくお願い致します」
『あ、あの……』
em「…？、どうされました？」
『ぐるっp……第一皇太子様がご迷惑を…かけていないかが心配で、それを聞こうと…』
gr「…オイ待て、Aは俺の事をなんだと思っているんだ」
『……発作持ちの5歳児』
それを聞いた瞬間、グルッペンは不服そうな顔をし、エーミールは大口を開けて笑いだした。
……大口を開けて笑いだした…？あのthe紳士が…？
『私何か変なことを言ったかしら…？』
em「い、いやwすみません…w一国の皇太子にそんな直球に言うとは思っていなくて…ww」
gr「…うっせ、ここじゃ身分なんて関係ないしそもそも俺とAの間に躊躇なんてものはない」
ht「…お互いズバズバ言うような性格してそうだもんな」
『急なディス…？』
em「君ら、見てて退屈せぇへんわw
…Aさん、グルッペンさんから室内でお話を少しばかり耳に挟みましたが思った以上に面白い方ですね。改めてよろしくお願いします」
嬉々として私へ手を差し出す彼、きっと求められているものは握手だろう。
『えぇ、よろしく…えーみーる…』
彼の手を取り、握手をする。
心の中でいつも彼らに敬称なんて付けていなかったからか自然とそのまま口に出てしまった。
普段グルッペンと話してる時のようにそれはもうスルリと。
口に出てから『やってしまった』っと焦ってしまったからか呂律が曖昧になってしまった。
完全にやらかした。
ほぼ放心状態だったからかじっと彼のことを見つめていたらしい。
そのまま朝日にでも飲み込まれてしまいそうな佇まいは儚く、綺麗だった。
em「敬称も敬語も不要です。……俺らもう友人やろ？」
エーミールは、それはもう嬉しそうにはにかんでいた。
『友人……えぇ、そうね。エーミール』
臆病な彼が素を見せるなんて珍しい。
…彼らと仲良くなれるのは嬉しい。
でもよ、A・クロイツァー…思い出しなさい。貴方は彼らを深く信用してはならないと。
ht「俺らこれじゃぁ蚊帳の外だね」
gr「そうだな、此奴ら引きづって食堂行こうぜ」
ht「賛成」
そんな声が聞こえたと同時に、私とエーミールは引きづられながら食堂へと連行された。
引きづる必要あった…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 942人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう(プロフ) - 主人公のひとつひとつの言葉遣いに品性を感じ、別世界に行けるような感覚で楽しませてもらっています。お忙しい中更新いただきありがとうございます！無理のない範囲で、作者様のペースですすめていってください！ (9月10日 2時) (
レス) @page29 id: a3f3849aaa (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 夢主が可愛すぎて辛いです()本当に読めやすくて話も面白いです！ (9月5日 9時) (レス) @page28 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
絲縫。(プロフ) - 滅茶苦茶好きです。すごく綺麗に話が綴られているので凄く読みやすくてあっという間に読めました。これからも応援しています。 (9月4日 21時) (レス) @page28 id: 3aa2c2a23c (このIDを非表示/違反報告)
シオンはアムルガムの派生(？) - drさんがここぞみたいな所で自分の嫁！って主張してるのがかわいくて好きです！！！応援してます！！初コメ失礼しましたー！！！ (9月4日 18時) (レス) @page28 id: da22832432 (このIDを非表示/違反報告)
アホの子(プロフ) - りぃるさん» ああありがとうございます…！！！嬉しいお言葉すぎるｯｯｯ…！！！！(涙) (9月4日 16時) (レス) id: 149963b40a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アホの子 | 作成日時：2023年8月22日 1時
