技術者は非力？ ページ27
em「……ぇ…あ、その…えっと…」
居心地が悪そうに彼は口篭り始めた。
ht「………非力そうだもんね、エミさん…」
em「はい、まぁ…そういうことです…」
ひとらんからの直球な言葉にエーミールは少々諦め気味に頷いた。
グルッペンは「まぁ予想通りか」とでも言い出しそうな面持ちだった。
試験時間が迫っているため、ほぼ歩きながらになるのだが…
確かに日々を兵器開発や技術革新に費やしているあの国の出身なら精神面くらいしか育ってはいなさそうだが。
いや、徹夜をする程度の根気と体力はあるか。
…あら？私達、随分と辛辣ね。これが身内ノリってやつなのかしら。
gr「…戦場で必要なのは圧倒的な兵力だけではないゾ、エーミール」
em「ならば、兵器でしょうか？」
gr「いいや、違う。なぁ？A」
『……えぇ、そうね』
ht「兵器でも兵力でもない…？」
『司令官は何を持って、戦場を統べているか…考えたことはある？』
その質問に対し、自身の試験会場へ向かう足先を見ていたエーミールがパッと顔を上げた。きっと答えがわかったのだろう。
何ならグルッペンはニヤリと意地悪に笑い、ひとらんは答えを理解したのか、にこりと温かく笑いかけている。
em「ち、しき…？」
『ふふ、正解よ。ねぇ？グルッペン』
gr「…あぁ、そうだ。知識こそ＿＿」
グルッペンは試験会場である訓練場の大きな扉を開け放った。
ぶわりと全身を撫でる風とグルッペンの背を照らす光は、彼を異様なまでに引き立てる。
gr「＿＿"真価"を持って評価される。戦場において最大の武器だ」
『…そして貴方はそれを持っている。誰よりも多く、大量の知識を。
それを持ってすれば二次試験くらい朝飯前よ。そうでしょう？』
em「！！……そうやな……そうやわ、俺、絶対合格するから君らも落ちんといてな？二次試験」
ht「落ちるわけないでしょ？皆で合格しよう！」
gr「なんだがむず痒いが…そうだな。ここに居る全員で、必ず合格しよう」
『えぇ、勿論よ』
私達4人は全員で手を取りあい、「『おー！』」っと天へ手を掲げた。
スッキリしたような表情で会場に足を踏み入れた私達は、きっと誰よりも堂々としていたことだろう。
gr「おい、A。俺の決め台詞取ってったの見逃した訳じゃないからな？」
『あら、なんの事かしら？』
em「決め台詞って…」
ht「言い方が色々とメタい…」
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ゆう(プロフ) - 主人公のひとつひとつの言葉遣いに品性を感じ、別世界に行けるような感覚で楽しませてもらっています。お忙しい中更新いただきありがとうございます！無理のない範囲で、作者様のペースですすめていってください！ (9月10日 2時) (
レス) @page29 id: a3f3849aaa (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 夢主が可愛すぎて辛いです()本当に読めやすくて話も面白いです！ (9月5日 9時) (レス) @page28 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
絲縫。(プロフ) - 滅茶苦茶好きです。すごく綺麗に話が綴られているので凄く読みやすくてあっという間に読めました。これからも応援しています。 (9月4日 21時) (レス) @page28 id: 3aa2c2a23c (このIDを非表示/違反報告)
シオンはアムルガムの派生(？) - drさんがここぞみたいな所で自分の嫁！って主張してるのがかわいくて好きです！！！応援してます！！初コメ失礼しましたー！！！ (9月4日 18時) (レス) @page28 id: da22832432 (このIDを非表示/違反報告)
アホの子(プロフ) - りぃるさん» ああありがとうございます…！！！嬉しいお言葉すぎるｯｯｯ…！！！！(涙) (9月4日 16時) (レス) id: 149963b40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アホの子 | 作成日時：2023年8月22日 1時
