ラッキースケベ ページ31
『なっ…！？』
ﾊﾟﾊﾞｰﾄ「はっ……ぃたぁ！？」
彼の手は私の腕ではなく胸を捕らえた。
何ならガッチリと鷲掴みにされた。
その瞬間顔に熱が集まったのが自分でもわかった。
だが、胸を鷲掴みにされた瞬間の私の対応は周囲が目を見張る程に早かった。
手刀で彼の私の胸を掴んでいる手を叩き落とし、彼の無駄に整った顔に向かってそれはもう渾身の力を込めて回し蹴りをお見舞いしてやった。
『…………』
ﾊﾟﾊﾞｰﾄ「…………」
地面に倒れ込んだパバートの背中に足を置き、三八式歩兵銃の銃口を彼の頭に向ければ試験監督は勝者の名を叫ぶ。
ただ背後で「は？」っというドスの効いた2つの声と「へっ！？」っという間抜けな声は聞かなかったことにしておこう。
ﾊﾟﾊﾞｰﾄ「…その、すまなかった…」
『……これはワンオーワンの戦いなんでしょう？なら仕方のないことよ』
実に申し訳なさそうに謝る彼にそう声をかければ最初とは打って変わって小さくなった背中を向けて在校官の待機場所へ戻って行った。
私も一応試験は終了したためグルッペン達が居る場所へ向かう。
ただ、グルッペンはかなり機嫌が悪いし、ひとらんは怖い顔をしているし、エーミールは顔を赤くしたまま固まっているしで私まで硬直してしまった。
gr「……油断大敵という言葉は知っているか？」
『東洋の言葉でしょう？知っているわ』
gr「…………」
グルッペンは眉間に皺を寄せ、相変わらずの不機嫌そうな面持ちで私を見やっている。
…まさか、嫌われた…？
逃げるにしてもまだ準備は全く整っていない。どうしたものか。
『何よ…』
ht「…女の子なんだから体は大事にしなよってグルちゃんは言いたいみたいだよ」
一つため息をつき、呆れたとでも言うような表情でひとらんから投げかけられた言葉は私を驚かせるには充分だった。
『…へ？、嫌ってるわけじゃないの…？』
gr「…は？、そんなわけないだろう、不意だったとしてもあの状況は気に食わん」
『……グルッペン』
彼の名前を呼び、自身を真っ直ぐに見つめる灰色の瞳をじっと目を見つめ返す。
『次から気を付けるようにするわ。だからこれで許してちょうだい』
グルッペンの頭へ両手を伸ばし、わしゃわしゃと撫でる。
一方撫でられている彼は目を丸くし、固まったまま何も言わなくなってしまった。
なんならひとらんも、既に黙っていたエーミールすら延長戦の如く黙っている。
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ゆう(プロフ) - 主人公のひとつひとつの言葉遣いに品性を感じ、別世界に行けるような感覚で楽しませてもらっています。お忙しい中更新いただきありがとうございます！無理のない範囲で、作者様のペースですすめていってください！ (9月10日 2時) (
レス) @page29 id: a3f3849aaa (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 夢主が可愛すぎて辛いです()本当に読めやすくて話も面白いです！ (9月5日 9時) (レス) @page28 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
絲縫。(プロフ) - 滅茶苦茶好きです。すごく綺麗に話が綴られているので凄く読みやすくてあっという間に読めました。これからも応援しています。 (9月4日 21時) (レス) @page28 id: 3aa2c2a23c (このIDを非表示/違反報告)
シオンはアムルガムの派生(？) - drさんがここぞみたいな所で自分の嫁！って主張してるのがかわいくて好きです！！！応援してます！！初コメ失礼しましたー！！！ (9月4日 18時) (レス) @page28 id: da22832432 (このIDを非表示/違反報告)
アホの子(プロフ) - りぃるさん» ああありがとうございます…！！！嬉しいお言葉すぎるｯｯｯ…！！！！(涙) (9月4日 16時) (レス) id: 149963b40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アホの子 | 作成日時：2023年8月22日 1時
