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「っい゛…… え、」
生きてる！？ と目をぱちくりさせた。目覚めが妙にすっきりしている。Aは痛む足と頭を抑えながら上半身だけ起き上がると、目の前には鉄格子とコンクリートと、看守のような人が一人牢獄内で眠っている。
緑の軍服と……耳がある、状況把握的に獣人だ。というか恐らくAの見張り役なんだろうが、監視中寝るなんて便宜上敵ながら不埒な人だ。
しかしAはこれをチャンスと捉えた。要らぬところで培った大和魂がここに来て牙を剥く。音を立てないように、十分以上かけてベッドから降り、目の前で熟睡している男に近寄った。きっと牢獄の扉は開いていないので、となれば彼が内鍵を持っている筈。Aはジッと彼のポケットを見つめて、少し膨らんでいるところがあることに気がつく。
どうする。盗むか、見つかったら息の根を止められるに違いない。だがここで大人しくしていてもそのうち用が済んだら息の根を止められるだろう。だったら一か八かの大博打をしても良いような気がして、Aは首を振った。
ええい、やってやれ。
「………………！」
この作業には三十分以上かかった。獣人は耳が良い。だから音を立てないように、触感を刺激しないように、腫れ物を扱うような手で慎重に慎重に回収した金色の鍵は、酷く神々しく見えた。鍵に付けられた小さなナイフのような物もある。いい物を盗んだ。Aは北叟笑む。獣人は身体能力は高いが、所詮頭は人間様には叶わねんだなとバカにした。
のがわるかった。
「よっ」
「え」
鍵穴に鍵を入れようと看守に背を向けた途端に、Aは後ろから覆い被された。え？ と言い終わる前に地面と顔との距離がゼロメートルに達して、目を瞑ったが痛みはなかった。
恐る恐る片目を開けると、武骨な男の手がAの顎をカバーしてくれている。道理で衝撃がない。まあ、以前怪我した膝の痛みは悪化したけれど。
しかし安心するのも束の間、Aは莫大な焦燥感に駆られた。やばいやばいやばいバレた、内心でバカにしたのが悪かった。Aは目をぐるぐるさせながら対処法を考えるが、何も思いつかないので、咄嗟に体を激しく動かして奇跡的に脱出に成功。拘束をわざと甘くしていたらしい。
Aは右手に握っていた鍵付きナイフを男に向けると、彼は口角を上げた。
おれを殺すん？ と無邪気に笑いながら挑発するようにそう言われ、Aは迷う。
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
