◇至れり尽くせり ページ29
隔離病棟という名のビジネスホテルに移動してから、事がどんどん進んでいった。
部屋の説明を軽く受けた後、手錠と足枷を外してもらうことが出来た。付けていた箇所は傷ついていてヒリヒリと痛いが許容範囲内だ。
そこからは軍医様が幾つか決め事を伝えてくれた。
・外出は基本出来ないこと
・健康診断をすること
・定期的に誰かしらが調査に来ること
・足りないものがあれば伝えること
・体調を優先して不調は必ず伝えること
「守れる？」
『はい、』
自由に外に出られないのは分かりきっていたが、それにしてよだいぶこちらの健康面を気遣ってくれているらしい。
食事も朝昼晩3食おやつ付きとくればもう高待遇でしかない。
なんでこんな高待遇なの？訳分からん…。
と言うより、私は何を疑われてるんだろうか。やっぱりどこから来たかとかなのかな…。
いつになったら家に戻れるのだろうか。うーん。
「一応消灯時間は0時だからね」
『あの、時計とかって…』
「ほんとだ、見当たらないね。あとから持ってこさせるね」
『ありがとうございます』
「じゃあ、今日はもうゆっくり休んでいいからね」
『あ、はい』
じゃあね、と出ていく軍医様。その後に続いて出ていく緑の人はこちらを見てニヤリと笑った。その不気味さにぶるりと震えた。
その後、兵士さんが何回か訪ねてきた。曰く、軍医様の元で働く衛生兵さん達らしい。
夕食を運んできてくださったり、時計を持ってきてくださったり。タオルやシーツ、着替えや下着などを持ってきてくれたのは女性の衛生兵さんだった。配慮までされているのは本当にありがたいが同時になんかそわそわした。
夕食はパスタだった。ミートソースパスタ。あと山盛りサラダにオレンジ。量が少し多くて、食器を下げに来てくださった方に伝えると明日から調節してくださるようなので一安心。さすがにご飯残すのはね、気が引ける。
水分をしっかりとるように、と念を押されながら500ミリくらいのペットボトルを4本渡された。熱中症対策とかだろうか。
机の下に小さな冷蔵庫があったので入れておく。本当に見れば見るほどホテルだなあ…。
数日ぶりのお風呂だからとちょっとテンションが上がった。
3点ユニットバス形式になっているのでシャワーカーテンが着いている。元いた世界でホテルに泊まる機会が多くて助かったなあ、と思いながら髪と身体を念入りに洗う。
何故だろうか。
元いた世界に戻りたいという気持ちが薄れている気がする。
元来、適応能力は人一倍あったように思うが、それにしてもこんなにあっさりと元いた世界を捨てられるのだろうか。
1度頭を冷やそうと、しばらく冷水を浴び続けた。
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ーーー - 好きです (3月13日 4時) (
レス) @page35 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 楽しい作品ありがとうございます！続きも楽しみにしてます。 (2023年3月27日 10時) (レス) id: 26248b9bea (このIDを非表示/違反報告)
なな - お米様抱っこ好きですw (2022年10月15日 21時) (レス) @page28 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
スンドゥブ左衛門(プロフ) - 無名さんさん» お返事遅くなりました。どちらに掲載したのか等をお教えいただけるのでしたら、是非お願い致します。ﾂｲｯﾀとかでご連絡頂けると助かります。 (2022年8月7日 8時) (レス) id: 2b12ea7bfc (このIDを非表示/違反報告)
無名さん - 失礼します！僕今、おすすめの作品を紹介していて、作者様のお名前と作品を出してもよろしいですか！？こちらの作品僕大好きでして…ぜひ紹介したいんです！ (2022年8月6日 11時) (レス) @page35 id: ea8e66f22c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スンドゥブ左衛門 | 作成日時：2022年6月14日 15時
